きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




後頭部に、小さな何かが当たったような軽い衝撃。


頭上の木から虫でも落ちてきたのかと思い、小さく悲鳴を上げてしまった。


「ひっ!」


口を押さえるも既に遅く、


「杏奈?どうしたの?」


香織が駆け寄ってきて、


「あっ…、もー雄平君!」


何かに気付いて雄平を叱りつける。


雄平の方を見ると、くつくつと笑いながらあたしを見ていた。


香織がしゃがみこんで何かを拾い、見せてくれる。


手のひらには、小さな鈴。


「あ…!」


それには見覚えがあった。


ついさっき露店で見たばかりの、犬の形をしたキーホルダー。


二頭身で体の部分が鈴になっており、ピカピカの金色に赤い紐がついている。


昔、家で飼っていた犬に似ているせいか、手に取って見ていたものだった。


これが、あたしの頭に当たった?


雄平が投げた?


でも、どうしてこれを、雄平が持ってるの?


怒るタイミングを完全に失ったあたしは、香織の手からそれを取り、悔し紛れに雄平に投げる。


ちょっと高めにそれてしまったのに、雄平はいとも簡単につかみ取った。


そして、満足げにニカッと笑って言う。


「そろそろ花火行こうぜ」