きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




みんなと別れ、三年二組の教室に足を踏み入れるも、知った顔を見つけられずに立ちつくす。


あたし、この一年、大丈夫…?


心細さに、思わず泣きそうになる。


その時、


「杏奈、杏奈」


耳に馴染んだ声が届き、既に席に着いている雄平の姿を捉えた。


さっきのやり取りも忘れ、思わずほっとしてしまい、雄平のもとへ駆け寄る。


「座席表、前に貼ってあるよ」


雄平が指差す先には、黒板に貼られた一枚の紙と、それに群がるクラスメイト達の姿。


「ありがと。見てくるね」


そう言って前方に向かおうとすると、腕を掴まれた。


「杏奈の席、ここ」


反対の手で、隣の席を指差す雄平。


まさか…


「隣だって。運命だね」


雄平は口の端を持ち上げて、ニヤッと笑った。


あたしはため息と一緒に、


「そうかもね。ただし、“最悪の”…ね」


そう言うと、雄平もおかしそうに笑った。