きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




雄平は隣の屋台に移り、


「よし、気を取り直して金魚すくいだ!かおりん、どれがいい?」


と聞く。


金魚は欲しくないのか、またしてもドS香織が顔をのぞかせる。


「あの大きい出目金」


当然のごとく、すぐに紙に穴が開いて、雄平はがっくりと肩を落とす。


「くっそー!次行くぞ!」


やけになる雄平に、笑いながらついていく香織。


無理難題を言っておきながら、一生懸命応援する所が、香織らしい。


香織のために必死になっている雄平の背中に、心の中で問いかける。


どうしてあたしには聞いてくれないの?


『杏奈、どれ取ってほしい?』…って。


あたしは串に残っていた一番下の焼き鳥を口に入れながら、本当にビールでも飲みたい気分で、無邪気に雄平の肩をたたいて応援する香織を見ていた。


こんなふうに、笑い合えたら楽しいだろう。


一生懸命応援されたら、うれしいだろう。


あたしはいつも、憎まれ口ばかり。