「あー腹減った。何か食おうぜ」
雄平が伸びをしながら言い、香織が手を上げる。
「あたしリンゴ飴食べたいっ」
って、一緒に回るの?
雄平も?
「杏奈は?」
雄平があたしの方に向き直り、再び心臓が跳ねる。
まだ夏休みが始まったばかりなのに、もう日に焼けている雄平。
やっぱり、勉強なんてせずに遊んでいるのだろう。
「焼き鳥食べたい」
あたしがそう言うと、
「ぶっ」
雄平は勢いよく吹き出す。
「おまえ、オヤジかよ。あとはビールと枝豆か?」
「うるさいなー」
どうせ、あたしは香織と違ってかわいげがない。
どうせ、リンゴ飴じゃなくて、焼き鳥。
どうせ、浴衣じゃなくて、Tシャツ。
香織の背中で揺れるピンクのリボンに、今更ながら嫉妬した。



