きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~



「あー腹減った。何か食おうぜ」


雄平が伸びをしながら言い、香織が手を上げる。


「あたしリンゴ飴食べたいっ」


って、一緒に回るの?


雄平も?


「杏奈は?」


雄平があたしの方に向き直り、再び心臓が跳ねる。


まだ夏休みが始まったばかりなのに、もう日に焼けている雄平。


やっぱり、勉強なんてせずに遊んでいるのだろう。


「焼き鳥食べたい」


あたしがそう言うと、


「ぶっ」


雄平は勢いよく吹き出す。


「おまえ、オヤジかよ。あとはビールと枝豆か?」


「うるさいなー」


どうせ、あたしは香織と違ってかわいげがない。


どうせ、リンゴ飴じゃなくて、焼き鳥。


どうせ、浴衣じゃなくて、Tシャツ。


香織の背中で揺れるピンクのリボンに、今更ながら嫉妬した。