恥ずかしさのあまり、熱い顔に手を当てていると、
「モテモテじゃん」
雄平が、ぼそっと耳元でささやく。
そのまま歩いて行ってしまった横顔は、これ以上になく不機嫌だ。
あんなことがあったから、もう近付くなという意味かもしれない。
そういえば、あたしはあの日をお礼を雄平に言っただろうか。
あの日だけでなく、今もあたしを守ろうとしてくれたのに。
あたしは、廊下をずんずん歩いて行く雄平を追いかけた。
「雄平っ…雄平ってば!」
呼んでもなかなか立ち止まってくれない雄平の腕をつかむ。
「…なに」
ムスッとした雄平の顔を見たら、自分で呼びとめたくせに、何を言っていいかわからなくなる。
かわりに雄平が口を開いた。
「おまえ、平気なの?あいつと会って」
「え…?」
意味が飲み込めなくて答えられずにいると、
「怖くないか?思い出して辛くない?」
真剣な目が、心配そうに揺れていた。



