きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




雨がしとしとと降る日の昼休み。


電気を点けても薄暗い教室でお弁当を食べて、みんなとおしゃべりしていた時だった。


「伊田ぁ!お客さん!」


廊下からクラスメイトの男子の声が飛んできた。


クラス中が注目する先、開け放たれたドアの向こうに小さな姿があった。


将太君だ。


カチコチに体を強張らせているのが、遠目にもわかる。


勝気な将太君でも、二年も先輩の教室が並ぶ階に来るには、勇気が必要だったに違いない。


あちこちから冷やかしの声が飛んで、顔が真っ赤だ。


あの体育大会のことがあって、将太君には近付きたくなかった。


正直、顔を見るのも嫌なくらい。


戸惑っていると、ガタン!と音を立てて、雄平が席を立ったのが視界に入った。


「てめぇ、よく顔見せられたなぁ…」


つかみかかるほどの勢いで、将太君に歩み寄る。


「お!三角関係か!?」


誰かが冷やかす。


あたしは恥ずかしさに耐えかねて、雄平を追って廊下に出た。