きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




予鈴が鳴り、二人そろって大きく伸びをする。


「一番良い方法教えてあげようか」


香織が意味深な笑みを浮かべる。


「良い方法?」


座っていた塀から飛び降りた香織に習い、あたしも塀から降りてスカートのほこりを掃った。


くるりと振り返り、香織は自信満々に言う。


「彼氏を作ること」


その答えに、あたしは肩を落とす。


「なんだ…。確かにそうかもしれないけど、好きな人なんていないもん」


がっかりとそう言うあたしの顔を、香織は覗き込む。


「本当に?」


「ほんと!好きな人できたら香織に一番に言うもん」


「それはうれしいけど」


香織は納得のいかない顔をしていた。


でも本当に、好きな人なんて、いない。


一瞬だけ雄平の顔が浮かんだけれど、そんなんじゃない。


ただ、男子の中で、一番近い存在だというだけ。


「チャイム鳴るよ!」


あたしは、そのもやもやした気持ちを振り切るように、思いきり駆け出した。


「ちょっと、本気出さないでよー!あたしが追いつけるわけないじゃん!」


遠くで香織が叫ぶけれど、あたしはおもしろがって、香織を置き去りにするように、全力疾走。