予鈴が鳴り、二人そろって大きく伸びをする。
「一番良い方法教えてあげようか」
香織が意味深な笑みを浮かべる。
「良い方法?」
座っていた塀から飛び降りた香織に習い、あたしも塀から降りてスカートのほこりを掃った。
くるりと振り返り、香織は自信満々に言う。
「彼氏を作ること」
その答えに、あたしは肩を落とす。
「なんだ…。確かにそうかもしれないけど、好きな人なんていないもん」
がっかりとそう言うあたしの顔を、香織は覗き込む。
「本当に?」
「ほんと!好きな人できたら香織に一番に言うもん」
「それはうれしいけど」
香織は納得のいかない顔をしていた。
でも本当に、好きな人なんて、いない。
一瞬だけ雄平の顔が浮かんだけれど、そんなんじゃない。
ただ、男子の中で、一番近い存在だというだけ。
「チャイム鳴るよ!」
あたしは、そのもやもやした気持ちを振り切るように、思いきり駆け出した。
「ちょっと、本気出さないでよー!あたしが追いつけるわけないじゃん!」
遠くで香織が叫ぶけれど、あたしはおもしろがって、香織を置き去りにするように、全力疾走。



