雄平の背中を見ながら悪態をついていると、背後からとんでもない発言が聞こえてきた。
「雄平君が一緒で良かったね。あたし達も安心だよね」
他の二人も、うんうんと頷いている。
「全然良くなーい!うわーん!」
泣き真似をしながら一人に抱きつくと、よしよしと頭をなでてくれたけれど、
「でも、ますますかっこよくなったみたい、雄平君。また背伸びたんじゃない?」
またしても、とんでもない発言。
「あいつのどこがかっこいいのよー。ただの意地悪じゃん」
口をとがらせて抗議するけれど、この件では誰もあたしの味方になってくれないことを、もう知っている。



