きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




帰り道、あたしは香織に昼休みの出来事を話した。


「将太君、やるねぇ」


のんきにそう言う香織。


暗くならないようにしてくれる香織の気遣いがわかったから、あたしもふざけたようにふくれて見せる。


「もう!ほんとに怖かったんだから」


「ごめんごめん。よしよし」


香織が頭を撫でてくれた。


香織に話してよかった。


襲われたなんて、人に言うのは勇気がいる。


あの時の恐怖を思い出すことになるし、自分がそういう対象になっているだなんて、恥ずかしさもある。


あたしに非がないと頭でわかっていても、軽蔑されてしまうんじゃないかって、なぜかそんなふうに思ってしまった。


でも香織はそんな子じゃないし、他の誰かに話したりもしない。


約束しなくたって、話していいことと悪いことはわかってくれる。


こういうのをわかってくれる子は案外少なくて、あたしは大切なことを話す時、いつからか、よく考えるようになってしまっていたことに気付く。