きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




美保がうれしそうに、


「まじ?さんきゅー」


と言うけれど、森は顔の前で手を横に振って否定する。


「いやいや、伊田と宮下のことだって」


その言葉に、


「え!?」「えっ」


あたしの不機嫌な声と香織のうれしそうな声がハモり、


「ひどーい!」


他の女子達の非難の声が重なる。


「まぁ、杏奈と香織はかわいかったのは認めるけどぉ」


美保がふくれて森をにらみ、森も冗談めかしてそれに応える。


「はいはい、君達も綺麗でしたよ」


「ふふん。さんきゅー」


まんまとそう言わせた美保は、満足そうに笑う。


そのやりとりを見ながら、香織がこっそりと耳打ちしてくる。


「ね、言った通りでしょ」


『杏奈、綺麗だもん』


朝、香織が言ってくれたこと。


からかわれているだけだと思ったけど、他にもそう思ってくれた人がいるなんて、照れくさいけれど、やっぱりうれしい。


『エッチな目で』


と言われたことは、この際忘れてしまおう。


今日は将太君のこともあったから、考えるほど、男子を見る目が変わりそうで怖い。


雄平の顔をちらりと盗み見たけれど、この話題に入る気はないらしく、無表情でジュースを飲んでいた。


いつも話題の中心にいる雄平らしくない態度。


雄平なりに、あたしに気を使ってくれたかもしれない。