後片付けを済ませ、誰ともなしに教室に残ったのは、応援団のメンバーだった。
応援団は他のみんなよりも練習時間を多く取ったので、それだけ団結したのかもしれない。
「じゃ、乾杯!おつかれさま!」
缶ジュースで、ささやかなお疲れパーティー。
缶がぶつかる鈍い音が、放課後の教室に響く。
「最後のリレーは燃えたなぁ」
「伊田の追い上げはすごかったな!」
突然自分の名前が出て、ジュースを吹き出しそうになる。
「あたし?すごかったのは雄平でしょ」
「いや、杏奈が二人抜いてくれなかったら、一位は無理だった」
雄平が椅子を斜めに傾けながら、遠い目をして言う。
「そうだよ!杏奈すごかったもん!」
香織がうれしそうにそう言ってくれて、あたしは照れながらもみんなからの称賛を受け取る。
「応援団も、俺達が一番まとまってたな」
そう言うのは、ムードメーカーの森。
「練習がんばった甲斐があったね」
美保がいつものニコニコ顔で応える。
「ここだけの話だけど、うちのクラスのチアのレベル、高かったよな」
森の言葉に、ドキッとする。
雄平のいる場所で、そういう話はしたくなかった。



