体育大会も、残り一種目。
最後の種目は、体育大会の目玉でもあるチーム対抗リレー。
一年生から三年生まで、各クラスから選抜された生徒が参加する。
あたしは、アンカーの雄平にバトンを繋ぐ。
最初はうまくいかなくて、でも練習を重ねた。
でも、今は、自信が持てない。
少し汗ばんだ手をにぎったり開いたりして、大きく深呼吸する。
「杏奈」
耳に馴染んだ声なのに、今は体が強張る。
目を合わせると、雄平はいつもみたいにいたずらっぽく笑って、
「俺を信じろ」
と言った。
それがあまりにもきざったらしくて、思わずふき出してしまう。
あたしもいつもの調子に戻ることができて、
「チームの優勝は雄平の足にかかってるんだからね!あたしがビリで雄平につないでも、ね」
「おう、まかせろ」
雄平は自信満々に言った。
雄平ならやってくれそうな気がした。
でも、あたしだってやすやすとビリに甘んじるつもりは、到底ない。



