「ばぁか!気持ち悪いこと言わないでよ!」


あたしは悲しみに暮れているというのに、いつものようにふざけた調子の雄平に頭にきて、思い切り突き飛ばしてやる。


雄平の大きな体は、あたしの力なんかでびくともしないはずなのに、わざとらしくよろけるから余計に頭にくる。


「もーむかつく!」


「はっはっ」


雄平はあたしをからかって満足したように笑い、


「じゃーねん。三年二組の教室で待ってるよん」


気色悪い口調でそう言い残し、去っていった。