きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




雄平がそれに気付いたのかはわからないけれど、将太君の胸倉をつかんで引き寄せ、


「女を力づくで手に入れようとするから、てめぇはガキなんだよ!」


そう言い放った。


将太君が言葉に詰まるのが、雄平越しにわかった。


「杏奈、行くぞ」


雄平があたしの手を取る。


あたし達は足早に保健室を後にした。


将太君に強く握られた手首を、今は雄平がつかんでいる。


その部分が、熱い。


「ったく!」


雄平は突然立ち止まって振り向いた。


「無防備すぎるんだよ!何で一人で来た!?」


雄平が怒鳴る。


雄平が本気で怒った顔を見たのは、初めてかもしれない。


その剣幕にひるみながらも、あたしは言い訳を試みる。


「だ、だって。将太君が倒れたの、あたしのせいだと…」


でも雄平は聞く耳を持たず、あたしの言葉をさえぎる。


「言っただろ!一年生だって男は男なんだよ!甘く見てっから簡単に押し倒されんだよ!」


「別に、甘く見てなんか…」


確かに、警戒なんて全くしていなかった。


でも、学校内でそんな目に合うなんて、誰が想像するだろう。


あたしは、そんなにも軽率だっただろうか。


さっきの恐怖で感情が不安定になっていたせいか、あまりに怒鳴られたせいか、色々な感情が渦巻いて、今にも爆発しそうだ。


そして、次の一言で、あたしの感情を抑えていたものが、決壊した。


「だいたいそんな格好して男に近付いたら、どうなるかくらいわかるだろ!」


プツン、と頭の中で音がした。