きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




将太君の顔が近付いてくるのを感じる。


ぎゅっと目をつむって、体を強張らせるしかなかった。


その時。


バタバタいう靴音が聞こえた気がして、次の瞬間、急に体が自由になった。


そっと目を開けると、視界のほとんどが黒っぽくて、それが雄平の学ランだと気付くのに、少し時間がかかった。


雄平が、助けに来てくれた…?


信じられない状況を、すぐに飲み込めない。


雄平はあたしの手を引いてベッドから起こし、あたしを背中に隠すようにした。


その背中が大きくて、すごく安心した。


すがりつきそうになった。


雄平は将太君を怒鳴りつける。


「てめぇ!何やってんだよ!」


将太君も負けじと声を張り上げる。


「な、何って…好きな女にキスしようとして悪いかよ!」


言葉にされると生々しくて、あたしはさっきの恐怖を思い出す。


将太君がキスしようとしただけだとしても、あたしにとっては、それ以上の恐怖だった。


自由を奪われることが、あんなに怖いものだなんて知らなかった。


あたしは思わず、雄平の学ランの裾を握りしめる。


その手が少し震えていて、自分でも驚いた。