「な、に?」
冷静さを保とうとするけれど、切羽詰まった表情の将太君に、嫌な予感がした。
腕を引かれる。
とっさに踏ん張ろうとするけれど、やっぱり男の子だ。
小さな体でも、あたしなんかよりずっと力が強い。
いとも簡単に引き寄せられてしまう。
近付く将太君を避けようと体をよじらせると、そのままベッドに倒れ込んでしまった。
上半身が仰向けに倒れたあたしと、その腕をつかんであたしを見下ろす将太君。
組み敷かれているような状態。
完全に、危険な状態。
将太君の熱っぽい目が、あたしを見つめる。
真剣すぎて、まっすぐに見ることができない。
あたしは顔を横に向けて、将太君の視線から逃れようとした。
でも、
「杏奈。俺…」
将太君が覆いかぶさってこようとする。
抵抗した。
けれど、足がバタバタと動くだけ。
つかまれた腕は、動かない。
「や…」
目をそらしてもその状況から逃れられるわけではないのに、どうしていいかわからずに、目をぎゅっと閉じる。
男なんだ。
小さくても、男なんだ。
自分の力が全て抑え込まれる。
自分の体が自由に動かせない。
怖い。



