きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




「な、に?」


冷静さを保とうとするけれど、切羽詰まった表情の将太君に、嫌な予感がした。


腕を引かれる。


とっさに踏ん張ろうとするけれど、やっぱり男の子だ。


小さな体でも、あたしなんかよりずっと力が強い。


いとも簡単に引き寄せられてしまう。


近付く将太君を避けようと体をよじらせると、そのままベッドに倒れ込んでしまった。


上半身が仰向けに倒れたあたしと、その腕をつかんであたしを見下ろす将太君。


組み敷かれているような状態。


完全に、危険な状態。


将太君の熱っぽい目が、あたしを見つめる。


真剣すぎて、まっすぐに見ることができない。


あたしは顔を横に向けて、将太君の視線から逃れようとした。


でも、


「杏奈。俺…」


将太君が覆いかぶさってこようとする。


抵抗した。


けれど、足がバタバタと動くだけ。


つかまれた腕は、動かない。


「や…」


目をそらしてもその状況から逃れられるわけではないのに、どうしていいかわからずに、目をぎゅっと閉じる。


男なんだ。


小さくても、男なんだ。


自分の力が全て抑え込まれる。


自分の体が自由に動かせない。


怖い。