きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




ピストルが鳴り、青空の中に白い煙が吸い込まれる。


男子全員参加の100メートル走。


一走ごとに順位がつけられ、順位に応じて得点を獲得できる。


組み合わせが悪く、二組は今のところ、一位を取ることができていない。


次は雄平が走る番だ。


雄平のことだから、きっと軽々と一位を取ってくれると思っていたけれど、運悪く、陸上部の一人と同じ回になってしまったらしい。


「雄平くーん!がんばってー!」


スタート位置についた雄平に向かって、香織を始め、クラスメイト達が激を飛ばす。


雄平の真剣な視線が、あたし達がいる場所の前を通り、ゴールを見据える。


あたしまでスタート地点に立っているような緊張に襲われ、汗ばんだ手をぎゅっと握った。


パンッという乾いた音と共に、雄平が地面を蹴る。


歓声の中を走者が駆け抜ける。


ゴールに近い場所から見ていると、正確な順位がわからない。


「雄平ー!」


思わず、叫ぶ。


雄平が目の前を通り過ぎ、砂埃が舞った。


一位と二位の接戦に見えた。


ゴールを切った。


スピードを緩める雄平。


そこに近付いたのは、一位の旗を持った係員。


「一位だ!」


「やったー!」


あたしは香織と手を取り合って喜んだ。


今すぐにでも雄平の所に行って「やったじゃん」と言いたかった。


さすが雄平。