雄平の合図で、応援歌が始まる。
赤い旗が揺れ、赤いポンポンが花を咲かせる。
雄平の白い手袋が、青空に映えて、眩しかった。
「香織おつかれー」
チアの衣装のままで玉入れに参加した香織は、満足げに笑いながら、あたしのハイタッチを受け止めた。
「やったよー。作戦勝ちだねっ」
「さっすが、香織隊長」
香織が指揮を取っていた玉入れは、綿密な作戦と練習のおかげで圧勝だった。
「じゃ、次は俺ね」
雄平の声が飛んできた。
学ランを脱いで体操服姿になった雄平は、椅子に腰かけて、スニーカーの紐を結び直している。
「次、100メートル走?」
「おう!みんなで点数稼いでくるぜ」
雄平と目が合う。
「が、がんばって」
どもってしまうと、雄平がおかしそうに笑って、
「いってきまーっす」
手を振りながら、集合場所へ向かった。
「杏奈、ゴールの近くで応援しよ」
「えっ?」
ただでさえチアの赤い服が人目を引いてしまうのに、余計目立ってしまう。
ためらっていると、香織はにっこり笑って言う。
「絶対勝ってほしいでしょ」
そんなの、当たり前。



