きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




雄平は、斜め下の方に視線をはずしたまま、口を開く。


「何かあったか?」


「え…?」


ようやく顔を上げて、視線を合わせた。


眉を寄せた表情が、あたしを心配してくれている。


「様子が、いつもと違うから…。なんか、おどおどしてる」


その言葉に、あたしは安心した。


変な目なんかじゃなく、あたしのことをちゃんと見ていてくれているとわかったから。


だから、心の中の迷いを、雄平に打ち明けることにした。


「この服、似合ってないよね。なんか、変だよね。香織はあんなにかわいいいのに。あたし、今からでも学ランにしよっかな」


あたしはスカートの裾を下に引っ張る。


すると雄平は、


「それはダメ!着替えるな、絶対」


はっきりと、強く、言ってくれた。


「めちゃめちゃ似合ってる。すげーかっこいいよ」


「かっこいい…?」


意外な言葉に驚く。


「うん。本物のチアリーダーみたいだもん。だから堂々としてろよ、いつもみたいに」


かっこいいという表現が、雄平らしくてうれしかった。


そこには、いやらしさなんて、全然無い。


「チアリーダーが背中丸めててどうすんだよ。俺達でクラス盛り上げるんだろ!」


そう言ってあたしの背中を叩き、


「な、行こうぜ」


しっかりと目を合わせて、ニッと笑ってくれた。


その笑顔に、救われた。


大丈夫だ。


雄平が言ってくれるんだから、大丈夫。


「…うん!」


あたしは力強く頷き、雄平と一緒に、みんなのもとへ走った。