「あとね、いいこと教えてあげる」
香織はいたずらっぽく笑って、口をあたしの耳元に寄せ、こうささやいた。
「男の子もみんな杏奈見てた。けど、エッチな目でね」
「っ…!」
顔からボンッと音がしたかと思うくらい、急に熱くなる。
「香織っ!」
香織は無邪気に笑いながら言ってしまった。
なんだか雄平に似てきたみたいだ。
でも…
香織の言う通り、みんな、そういう目で見ているのだろうか。
クラスの男子の一人と目が合ったけれど、気まずそうにそらされ、また顔がカッと熱くなる。
意識する方がおかしいのだろうけれど、スカートの短さに、急に頼りなさを感じる。
やっぱり、間違っていたのだろうか。
あたしがこんな格好をするなんて、身の程知らずだったのだろうか。
「…杏奈」
背後から遠慮がちにあたしを呼ぶ、雄平の声。
「雄…」
はっとする。
もしかして雄平も、そんな目で見てるの?
そんなわけないよね、雄平に限って。
一年の頃からバカやってる仲だもん。
今更そんな風に見たりしないよね?
でも、雄平は視線をはずしたままだ。



