見られている気がするのは、こんな格好しているから、意識してしまってそう感じるだけだ。
そう言い聞かせるけれど、なんだか視線が気になって仕方がない。
「見られてるよ」
耳元で突然声がして、飛び上がるくらいに驚いた。
声の主は、ニヤニヤ顔の香織。
「…香織!おどかさないでよ」
「なんでそんなに驚くの?変だよー」
香織は無邪気に笑うけれど、『見られてる』『変』の言葉に敏感なあたしは、泣きそうになって香織にすがる。
「ねぇ、やっぱり見られてるの?やっぱり変だよね、あたし」
すると香織は、プッとふき出した。
「大丈夫大丈夫、変じゃないよ。でも、みんな杏奈を見てるのは本当」
香織の言葉に混乱するあたし。
「何で?どういうこと?」
すると香織は、とんでもないことを言い出した。
「杏奈、綺麗だから」
「…はぁ!?」
綺麗!?
聞き間違いだよね?
「少しは自覚した方がいいよ。チアの衣装もすごく似合ってる。背高いし、足も長いからなー。うらやましいよ」
「う、うそでしょ」
「ほんと!でもここまで化けるとは、あたしの想像を超えたなぁ」
香織は腕を組んで、あたしの頭からつま先まで、舐めるように見ながら、
「あたしの腕もなかなか…」
満足げに頷いている。



