きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




見られている気がするのは、こんな格好しているから、意識してしまってそう感じるだけだ。


そう言い聞かせるけれど、なんだか視線が気になって仕方がない。


「見られてるよ」


耳元で突然声がして、飛び上がるくらいに驚いた。


声の主は、ニヤニヤ顔の香織。


「…香織!おどかさないでよ」


「なんでそんなに驚くの?変だよー」


香織は無邪気に笑うけれど、『見られてる』『変』の言葉に敏感なあたしは、泣きそうになって香織にすがる。


「ねぇ、やっぱり見られてるの?やっぱり変だよね、あたし」


すると香織は、プッとふき出した。


「大丈夫大丈夫、変じゃないよ。でも、みんな杏奈を見てるのは本当」


香織の言葉に混乱するあたし。


「何で?どういうこと?」


すると香織は、とんでもないことを言い出した。


「杏奈、綺麗だから」


「…はぁ!?」


綺麗!?


聞き間違いだよね?


「少しは自覚した方がいいよ。チアの衣装もすごく似合ってる。背高いし、足も長いからなー。うらやましいよ」


「う、うそでしょ」


「ほんと!でもここまで化けるとは、あたしの想像を超えたなぁ」


香織は腕を組んで、あたしの頭からつま先まで、舐めるように見ながら、


「あたしの腕もなかなか…」


満足げに頷いている。