きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




いざ。


といいつつ、あたしは先頭を行く香織の後に隠れるように歩く。


「わーっかわいー」


「似合うー」


香織に向けられる言葉に、あたしも納得。


「おいっ!見ろよ」


「まじかよ、やべぇ」


なんて言う男子に、「何がやばいのよ」と心の中で突っ込みながら歩く。


「おまたせー!」


先に準備を初めていた男子の応援団メンバーのもとに行くと、男子全員そろって手をとめて、ぽかんと口を開けた。


ま、香織は観賞するに値するけど。


「杏奈…?」


雄平が目を丸くして、あたしを指さしてくる。


「な、なによー。らしくないからって、そんな驚いたふりしなくたっていいじゃん」


一歩近付くと、雄平が珍しくたじろいだ。


片手を口に当てて、もごもごと何か言う。


「何!?」


「や、その。うん、似合ってる。馬子にも衣装ってゆーの?」


「はぁ!?」


あたしはいつもの調子で片手を振り上げるが、雄平はそれを受け止めることなく、


「さ、準備、急がないと」


と言って背を向けてしまった。


なんか、変。


振り返ると、あたし達を見ていたらしい他の男子達と目が合った。


あたしと雄平の喧嘩は騒がしいので、いつもギャラリーがついてしまうのだけど、今日はいつも以上に多くて驚く。


しかしすぐに皆そそくさと持ち場に戻って行った。