「女子、教室使っていいよー」
最後の男子がそう声をかけて、廊下を駆けて行った。
「うっ」
ついにこの瞬間が来てしまった。
でも、今更引き下がることはできないのだから、覚悟を決めるしかない。
教室に入って、机の上に衣装を広げた。
赤に白のラインが入ったノースリーブと、プリーツスカート。
スカートの中に履くアンダースコートが白ってのも、なんだかなぁ、などとブツブツ言っていると、香織が、
「往生際が悪ーい!」
と、あたしのスカートと服をはぎ取ろうとする。
「ごごごめんなさい、自分で着替えます」
「よろしい」
香織は腰に手を当てて、にっこり笑う。
「なんか今日の香織、強いね」
「そう?でも、気合いは入ってる!」
そう言って、胸の前で両手のこぶしを握った。
その姿を見て、あたしもようやくエンジンがかかる。
「そうだね!がんばらないと!」
チアの衣装を着てみると、気持ちも盛り上がってくる。
応援団のみんなが同じ格好をしているせいで、思ったより恥ずかしさは少ない。



