きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




「女子、教室使っていいよー」


最後の男子がそう声をかけて、廊下を駆けて行った。


「うっ」


ついにこの瞬間が来てしまった。


でも、今更引き下がることはできないのだから、覚悟を決めるしかない。


教室に入って、机の上に衣装を広げた。


赤に白のラインが入ったノースリーブと、プリーツスカート。


スカートの中に履くアンダースコートが白ってのも、なんだかなぁ、などとブツブツ言っていると、香織が、


「往生際が悪ーい!」


と、あたしのスカートと服をはぎ取ろうとする。


「ごごごめんなさい、自分で着替えます」


「よろしい」


香織は腰に手を当てて、にっこり笑う。


「なんか今日の香織、強いね」


「そう?でも、気合いは入ってる!」


そう言って、胸の前で両手のこぶしを握った。


その姿を見て、あたしもようやくエンジンがかかる。


「そうだね!がんばらないと!」


チアの衣装を着てみると、気持ちも盛り上がってくる。


応援団のみんなが同じ格好をしているせいで、思ったより恥ずかしさは少ない。