高校入試の合格発表は、雄平と二人で見に行った。
既に私立高校の合格通知を手にしていた香織は、
「一応、見てきて」
と、受験票をあたしに押しつけて、
「デート楽しんできてね」
意地悪に笑った。
そんな香織のおかげで、一足早く、憧れの高校の門を二人でくぐる。
三枚の受験票と、貼り出された大きな模造紙を見比べ、すぐに三つの番号を見つける。
「やった!」
雄平とハイタッチを交わす。
なんだか実感がわかないけれど、一ヶ月もしないうちに、あたし達は揃ってこの高校の制服を着るのだと思うと、だんだんと気分が高揚していく。
「あーうれしいよー。ほんと、よかったー」
何度もそう言い合っては、笑い合う。
この気持ちを表現できる言葉が見つからなくて、少し悔しい。
公衆電話で家に合格を伝え、その足で母校に報告しに行く。
中学校に足を運ぶのは、今日と、卒業式が行われる明日の、あと二回だけだ。
少しの間だけ、手袋を着けたまま、雄平と手を繋いで歩いた。
明日で、あたし達は、中学生でなくなる。



