きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




両手をかき集められて、雄平の両手にぎゅっと包まれる。


雄平の大きな手はあたたかくて、ドキドキするのに、ホッとするような、不思議な感覚だった。


雄平の顔を見る。


少し強張った表情が、大人びていて、素敵だと思った。


好きだな、と思った。


「杏奈…」


雄平の唇が動き、あたしの名前をささやき、


「好きだよ」


そう、言ってくれた。


「杏奈はちゃんと言ってくれたのに、俺、まだ言ってなかったから」


ふわっと表情を和らげた雄平は、少し恥ずかしそうで、かわいい。


「あたしも…」


“好き”


この前は言えたのに、改めて言おうとすると、なかなか言葉にならない。


胸がぎゅうっと圧迫されたように、苦しかった。


あまりの息苦しさに、涙が出る。


大切な一言を言うことが、こんなにも難しいなんて。


“好き”という一言の重さと尊さを、強く感じる。


「雄平…好き…」


泣き声のようだった。


雄平が大好きで、好き過ぎて、あたしは雄平の腕の中で、涙をたくさん流した。