きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




「女子で一番速い杏奈と、男子で一番速い俺で、ラストをガーッと行って盛り上げる!っていうのが、俺達の作戦じゃん」


「だから、その“ガーッ”てのが…ま、そうだな。それがみんなで立てた作戦だもんな」


千葉の表情がやわらかくなり、やれやれという感じでため息をついた。


「まったく、小野には負ける」


小さく笑う千葉の肩に、雄平が腕を乗せる。


「だから千葉ちゃん、スキよん」


「やめろ、気持ち悪い」


いつの間にか、じゃれ合っている二人。


雄平は人と仲良くなる天才だ。


「雄平、ありがとね」


「ん?別に?」


何事もなかったかのような顔をしているのは、あたしに気を使わせないためだってわかっている。


優しいんだ、雄平は。


そう改めて感心していた矢先、


「じゃ、二人っきりで秘密の特訓しよっか」


耳元で、とびきり甘い声。


「はぁ!?」


あたしが飛び退くと、雄平はくくっと笑って、


「ばぁか、何期待してんの?バトン渡す練習、完璧にできるようになるまで帰さないからな」


前言撤回。


やっぱりこいつ、ただの意地悪。