雄平は、手にした淡い黄色の紙袋を、あたしの膝の上に乗せた。
「プレゼント」
そう言うけれど、状況が把握できない。
雄平があたしに、プレゼント?
どうして?
「今日、何の日か知らないわけ?」
雄平が焦れたように言い、ようやく気付く。
「ホワイトデーだ」
「ははっ。俺達って、似た者同士だな」
楽しげに笑う雄平。
そういえば、雄平もあたしがチョコをあげた時、バレンタインだということを忘れてきょとんとしていた。
雄平のことだから、他の子からたくさんチョコをもらっていると思っていたけれど。
もしかすると、放課後の彼の机の中は、チョコであふれていたのかもしれない。
「女の子にプレゼントあげるなんて初めてだから、悩んだんだけど…。開けてみて」
照れくさそうに鼻の頭に触れながら言う雄平。
“初めて”という一言に、心が温かくなる。
今までに彼女がいたとかいう話は聞いたことがなかったけれど、雄平はモテるから、誰かしらの女の子との間に何かあったのではないかと、心配する時があった。
それがさりげなく否定されて、ホッとする。
紙袋を覗くと、二つの包みがあった。
平たい箱と、コロンとした箱。
「二つも…?」
「うん。じゃあ、まずはこっち開けて」
そう言って指差すのは、平たい箱。
丁寧にテープをはがし、包装紙を取ると、とてもかわいいクッキーが現れた。
「今食べる!」
バレンタインにチョコをあげた時の雄平を真似て、そう言う。



