きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




毎日教室で顔を合わせているのに、会えたことがうれしくなり、思わず駆け寄りたくなるのはどうしてだろう。


あたしが来たのを見てニコッと笑ってくれる雄平に、子犬みたいに尻尾を振って飛んで行きたくなる。


雄平は自分の横の床をペチペチと叩き、あたしに座るように促した。


雄平の隣に、当たり前に座れることに、改めて幸せを感じる。


少し離れて腰を下ろすと、雄平がお尻をずらして、あたしの方に寄ってくる。


肩が触れて、体が固まる。


雄平の視線を感じるけれど、とても顔を上げられない。


だって、今目が合ったら、顔が近すぎる。


きっと心臓が止まってしまう。


「杏奈…」


すぐ近くで聞こえる、雄平の声。


「やばい、俺、結構甘えん坊かも」


意外な言葉に顔を上げると、雄平は小さく笑った。


その顔がとてもかわいくて、胸がきゅっと縮む。


触れたい、と思った。


手を繋いでくれないかな、と期待した。


でも雄平は、思い出したように口を開く。


「そうそう、今日来てもらったのはね」


そう言って、体の陰に置いてあったらしい小さな紙袋を手に取った。


あたしは少し恥ずかしくなる。


自分の中に生まれた、大胆な感情に戸惑った。


男の子に触れたいなんて、思う日が来るとは、想像もしていなかった。