そして、五科目の試験が終わった。
全力を出せたと思う。
悔いはない。
それは、雄平も香織も一緒だった。
「おつかれさまー!」
三人でハイタッチ。
「ま、あたしは北園女子に合格確実だから、かなり手を抜いてあげたわ」
香織の言葉に、
「なんか宮下、キャラ変わった?」
雄平がおかしそうに笑う。
あたしは、香織の口から北園女子の名前が出て、胸がチクリと痛む。
春からは香織と離れ離れになってしまう。
「香織…ずっと友達でいてね」
淋しさのあまり、香織に抱きつく。
「もー!そういうこと言わない!」
ふざけて『嫌だよ』と言われるかと思っていたのに、香織も淋しそうな声を出すから、泣けてくる。
熱く抱き合う二人に、雄平がぽつりと言う。
「なあ…俺も混ざっていい?」
その声があまりに切実そうに響いたので、あたしと香織は目を見合わせて、思わず吹き出した。
「雄平君はこれからいつでも杏奈と抱き合えるでしょ」
「か、香織っ」
香織の言葉に顔が熱くなり、あたふたとする。
「そうだな。杏奈、おいで」
雄平が両手を広げて微笑む。
「ばっ…ばかー!!」
恥ずかしさのあまり、あたしは一人で走り出した。
本当は、飛び込みたいけれど。
そんなことをしたら、きっとドキドキしすぎて気絶してしまう。



