そして、高校入学試験、当日。
受験票と、二つになったあたしの“お守り”-金色の鈴と、文化祭で撮った写真-を手に、あたしは憧れの高校の門をくぐった。
春からこの学校に通うのだという思いを、心に強く抱く。
受験会場である教室で、試験までの間、香織と一緒に問題を出し合っていた。
最後の確認というより、気分を落ち着けるため。
「よう、仲良し娘達」
その一言だけで、背中越しに聞こえた声が雄平のものだと一瞬でわかってしまい、心臓が騒ぎ出す。
本当は会えることを期待していたけれど、昨日のことを思い出すと、まともに顔を見ることができそうにない。
「雄平君、ウロウロしてるなんて、余裕だね」
近寄ってくる雄平に、香織が言う。
「いやぁ、緊張してじっとしてられないんだもん」
向かい合っていたあたしと香織の横に、雄平が立つ。
雄平に面している半身だけが熱くなるようだ。
「とか言って、杏奈に会いに来たんで…しょ…って、杏奈?」
香織が、うつむくあたしに気付く。
きっと顔が真っ赤だ。
そんなあたしを見て、何かを納得する香織。
「ふーん。そう」
声の調子で、ニヤニヤしているのがわかる。
あたしと雄平の間に何かあったことに、気付いてしまったらしい。



