雄平は体を離し、
「明日、がんばろうな。春からまた、一緒に同じ学校に通おう」
力強く言ってくれた。
あたしもしっかりと頷く。
雄平はあたしの手を取り、再びゆっくりと歩き始めた。
夏にホタルがいた川辺の茂みは当然真っ暗だったけれど、かすかに聞こえる水の音が、あの光景を明瞭に思い出させる。
幻想的で、儚い、優しい光。
「来年の夏、またホタル見に来ような」
雄平が言う。
当たり前のように未来の約束ができることが、こんなにも心を満たしてくれるなんて、知らなかった。
雄平の微笑みや手のぬくもりが、これからもあたしを温めてくれる。
それがどれほど幸せなことなのか、あたしはきっとまだその一部しか知らないだろう。
ほんの少しだけ、雄平に寄り添う。
いつか、思い切りその胸に飛び込もう。
きちんと目を見て、大好きだよと言おう。
来年の夏、ホタルを見に来る頃には、もう少しだけ、素直になっていよう。
見上げた雄平の横顔に、そう誓った。



