きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




それ以来、練習中に将太君と雄平が衝突することはなく、準備は着々と進んでいった。


あたしはというと、雄平のことをついつい意識してしまって、どうにも落ち着かない。


「おーい、またかよ。しっかり渡せって!」


雄平の声と、リレーのバトンが土の上に落ちる乾いた音が重なる。


リレーの練習は、あたしのせいでうまくいっていなかった。


「ごめん!」


最後から二番目の走者になったあたしは、アンカーの雄平にバトンを渡す。


そのタイミングが合わない。


「順番変えるか?」


リレーを仕切ってくれている陸上部の千葉が、そう提案する。


あたしも、その方がいいかもしれないと思い始めていた。


悔しいけれど、こうも失敗を繰り返していると、いい加減自信がなくなってくる。


でも雄平は首を横に振る。


「いや、練習しよう。杏奈、俺、もうちょいゆっくりスタートするわ」


「でもそれじゃタイムが落ちる」


ストイックな千葉は反対する。


でも雄平も折れない。


「千葉の言う通り、速く走るのは大事だ。クラス対抗だからな。他のクラスより遅ければ負けだ。でもな、クラス対抗だからこそ、妥協はしたくないんだ」


雄平…


今の雄平、悔しいけど、ちょっとかっこいいよ。


体育大会やリレーに対する熱い気持ちが、ひしひしと伝わってくる。


それに、あたしのことをかばってくれているっていうわけじゃないけれど、あたしのために千葉とぶつかってくれているんだ。


それが、うれしい。