きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




現実かどうかを把握しようとしている間に、雄平が一気に階段を駆け上り、


「すっげぇ。まじで運命かも」


そう言って笑う。


『運命』という言葉に、ドキドキして顔を見ることができない。


こんなこと、前からよく言われていたのに。


恋って、不思議だ。


「何照れてんの。かわいいやつ」


そう言って、手袋をはめたままの手で、あたしの頭をぐりぐりと撫でた。


あたしの心臓は、さらに騒ぎ出す。


「しかし、まじで会えるとは思えなかったなぁ。会えたらいいなぁと思ってたら、ほんとにいるんだもんな。びびるっつーの」


ははっと笑いながら、照れくさいことをさらりと言う。


雄平の一挙一動が、あたしの顔を熱くする。


「お参りしてくるから待ってて」


そう言って軽い足取りで石段を上り、力強く柏手を打つ。


「明日、がんばれますよーに!」


あたしと同じお願いだ。


そんなふうにお願いする人なんていくらでもいるというのに、うれしくなってしまう。


本当に、恋って不思議だ。