現実かどうかを把握しようとしている間に、雄平が一気に階段を駆け上り、
「すっげぇ。まじで運命かも」
そう言って笑う。
『運命』という言葉に、ドキドキして顔を見ることができない。
こんなこと、前からよく言われていたのに。
恋って、不思議だ。
「何照れてんの。かわいいやつ」
そう言って、手袋をはめたままの手で、あたしの頭をぐりぐりと撫でた。
あたしの心臓は、さらに騒ぎ出す。
「しかし、まじで会えるとは思えなかったなぁ。会えたらいいなぁと思ってたら、ほんとにいるんだもんな。びびるっつーの」
ははっと笑いながら、照れくさいことをさらりと言う。
雄平の一挙一動が、あたしの顔を熱くする。
「お参りしてくるから待ってて」
そう言って軽い足取りで石段を上り、力強く柏手を打つ。
「明日、がんばれますよーに!」
あたしと同じお願いだ。
そんなふうにお願いする人なんていくらでもいるというのに、うれしくなってしまう。
本当に、恋って不思議だ。



