きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




首をかしげるあたしを前に、香織はあきれたように息をひとつ吐き出すと、


「彼、杏奈に一目惚れしちゃったかもよ?」


「はぁ!?」


まさか、それは、うぬぼれすぎだ。


でも、


「あ、そういえば。『一年生でも男は男』とかなんとか、雄平が…」


「ほら!男の子から見てもそうなんだよ。決まりだね!」


なぜかうれしそう、というか、完全におもしろがっている香織。


一目惚れ…か。


悪い気はしないけれど、年上の女の人に突然触られて、驚いただけのようにも思う。


あたしが気になるのは、雄平の言葉。


独り言の中に聞こえた“ライバル”という単語。


どういう意味?


雄平は、香織が言うように、将太君があたしに一目惚れしたと思っている?


そして、あたしに一目惚れをした将太君が、ライバル?


誰の?


自分の?


あたしに一目惚れした将太君が、雄平のライバル?


それってつまり…


「ない!ないない!さすがにそれはないよ!」


あたしは首を横に振って、おかしな考えを追いやろうとする。


それこそ、大きなうぬぼれだ。


しかも、勘違いだったら相当恥ずかしい種類の。


「おーい、そこ!動きずれてる!」


「ぎゃあ!ごめんなさい!」


雄平の怒鳴り声が飛んできて、思わず叫ぶあたしと、クスクス笑うクラスメイト達。


恥ずかしすぎる。