きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




「雄平、一年生相手に何やってんの」


あたしは腰に手を当てて、雄平をにらむ。


「あ、いや、言うこときかないから怒鳴ったんだけど。…なぁ、杏奈」


「何よ」


「一年生でも、男は男だ」


「は?何言ってんの?」


「いや、気付いてないならいいんだ。またライバルが増えたか…」


雄平は腕組みしてうなりながら、ぶつぶつ言っている。


「え?今、なんて…」


あたしが問いかけようとすると、雄平はみんなの方に向き直り、手をパンパンと叩いて注目を促した。


「さ、練習再開!並んでー。ほら、杏奈も!」


腑に落ちないけれど、今はおとなしく元の場所に戻るしかない。


「もう、意味わかんない」


ぶつぶつと文句を言っていると、香織がひそひそと声をかけてくる。


「ねぇ、あの子」


香織は将太君の走り去った方を見ているので、


「将太君、だって」


さっき覚えたばかりの名前を、忘れないうちに教える。


「将太君、杏奈見て真っ赤になってた。かわいー」


いつものクスクス笑い。


「ね、なんなんだか。確かにかわいい子ではあったけど」


「え?杏奈ってば、気付いてないの?」


「何が?」


…あれ?


同じようなやりとりを、ついさっきしたような。