きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




あたし達のクラス、二組は、応援団長の雄平を中心に団結し、下級生を交えた練習もスムーズに進んでいた。


でも、問題が起こらない方がおかしいもので。


「ちっ、威張ってんじゃねーよ、三年が!」


一年生の男子がキレた。


声変わりもまだの高い声が、鋭く響く。


人と人との間に姿を捉えると、まだずいぶん小さい体で、図体のでかい雄平に立ち向かっている。


すごい度胸だ。


「大丈夫かな…」


香織が心配そうにあたしにすがってくるので、仕方なく雄平をなだめに走る。


「ちょっと、雄平。どうしたの?」


突然割り込んできたあたしに、敵意むき出しの少年が声を上げる。


「女は引っこんで、ろ、」


けれど、なぜかあたしの顔を見て固まってしまった。


「え?何?」


大きな目がまん丸になってる。


知っている子?…ううん、見覚えはない、少なくとも、あたしには。


細い体に短い髪、勝気な瞳、まるで一年生の頃の雄平みたいだ。


いや、雄平よりもかわいい。


それはあたしが年上だから、そう感じるのだろうか。


なんだか優しい気分になって、


「とりあえず、落ち着こう。ね?」


彼の上がった肩に手を置いた。


途端、


「さ、触るなっ」


そう言ったかと思うと、少年は一目散に走り去った。


クラスメイトと思しき下級生達が、


「将太ーどこ行くんだよー」


と呼んでいるが、届いていない様子だ。


将太君、か。


また雄平と衝突しないといいけれど。