あたしが好きなのは雄平だと、言ってしまいそうになる。
でもあたしは、首を横に振った。
「わからない」
それは、誰が好きかわからないということではなく、以前と同じように雄平のことが好きかどうかわからない、という意味だった。
でも、雄平に真意を伝えるつもりはなく、それ以上は言わなかった。
今はただ、この場から逃げたかった。
冷静ではいられない。
こんな状態で、好きだなんて言えない。
「そっか…」
雄平は、小さくそう言って、頷いた。
「でも、誤解は解けてよかった。俺はそう思うよ」
その言葉に、再び目に涙がにじむ。
誤解は悲しいものだし、解けて悪いことなんてない。
あたしだって、誤解が解けてよかったと思う。
全てがすっきりと解決すると思っていたのに、どうして今、苦しいのだろう。
「行こうか」
雄平の顔は、今にも壊れてしまいそうなほど、頼りなかった。
あたしは下を向いたまま、雄平の少し後ろを歩いた。



