きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




一度認められてしまうと、疑いは突如として大きく膨れ上がる。


渦巻いていたものが爆発し、拡散していくように、頭の中で色々な声が飛び交う。


あたしが見たのは、手を繋いでいたところだけ。


でも、顔を寄せたように見えた。


そしてあの夜、いつまでも部屋に戻ってこなかった香織。


二人はずっと一緒だったの?


何をしていたの?


雄平の言う、『甘えてしまった』というのは、どういうこと?


雄平と香織との間には何があったのだろう。


でもそれを知ってはいけない。


知ったらあたしは、壊れてしまう。


「杏奈…!?」


雄平が驚いたように声を上げて、あたしは現実に引き戻される。


目の前に、心配げな表情をした雄平がいる。


どうして、そんなに悲しい顔をしているのだろう。


「泣くなよ…」


泣く?


誰が?


雄平の手が伸びてきて、あたしの頬に触れる。


そして、拭うように指を動かす。


ひんやりとした感覚で、ようやく気付く。


いつの間にか、あたしは泣いていた。