パーティーの後は、会場を貸してくれたカラオケボックスのオーナーに感謝の気持ちを込めながら、みんなで掃除をした。
文句を言う人も、面倒くさがる人も、一人もいない。
それがうれしかった。
みんなで協力するから、あっという間に片付く。
コートを着込んで、みんなが部屋を出て行った後、忘れ物がないか確認していると、
「ああ、伊田。よかった、まだいた」
入り口の方から、息をはずませた千葉の声が飛んでくる。
「どうしたの?忘れ物?」
聞きながら振り返ったところで、あたしの動きは止まった。
入り口に立つ千葉の後ろに、雄平がいた。
平常心を保とうとするけれど、うまくいかない。
雄平の顔を見ると、胸の高鳴りを抑えられなくなったのは、いったいいつからだろう。
「二人で話せ。その方がいい」
既に何かを知ったのか、千葉は力強くそう言う。
「杏奈、いい?」
雄平が遠慮がちに問う。
頷くしかなかった。
「がんばれ」
千葉があたしと雄平の背中を叩いて、部屋を出て行った。
こんな機会を作ってくれた千葉のためにも、ちゃんと話そう。
辛くても、逃げてはいけない。



