きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




パーティーの後は、会場を貸してくれたカラオケボックスのオーナーに感謝の気持ちを込めながら、みんなで掃除をした。


文句を言う人も、面倒くさがる人も、一人もいない。


それがうれしかった。


みんなで協力するから、あっという間に片付く。


コートを着込んで、みんなが部屋を出て行った後、忘れ物がないか確認していると、


「ああ、伊田。よかった、まだいた」


入り口の方から、息をはずませた千葉の声が飛んでくる。


「どうしたの?忘れ物?」


聞きながら振り返ったところで、あたしの動きは止まった。


入り口に立つ千葉の後ろに、雄平がいた。


平常心を保とうとするけれど、うまくいかない。


雄平の顔を見ると、胸の高鳴りを抑えられなくなったのは、いったいいつからだろう。


「二人で話せ。その方がいい」


既に何かを知ったのか、千葉は力強くそう言う。


「杏奈、いい?」


雄平が遠慮がちに問う。


頷くしかなかった。


「がんばれ」


千葉があたしと雄平の背中を叩いて、部屋を出て行った。


こんな機会を作ってくれた千葉のためにも、ちゃんと話そう。


辛くても、逃げてはいけない。