きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




「誕生日みたいだね」


ケーキを見ながら、隣で香織が笑う。


「ほんとだ」


応えるけれど、うまく笑えていたかわからない。


香織…。


千葉の予想は、正しいの?


間違いだと言ってほしい。


香織がでたらめの噂を流すなんて、嘘をつくなんて、疑うことさえしたくない。


香織は大切な友達だから。


でも、もしかして、そう思っているのは、あたしだけ?


修学旅行の後から、あたしは香織と距離を置いていた。


そうしないと、辛かったから。


でも、そうなってもあたしに深入りしてこなかった香織は、それを受け入れたということだろうか。


一番の友達の態度がよそよそしくなったら、あたしならどうする?


『どうしたの?何かあった?あたし、何かした?』


そんなふうに、問い詰めたりしないだろうか。


香織は、平気だったの?


あたしがよそよそしくなっても、何も感じなかった?


友達なのに?


…駄目だ、こんなことを考えるのはよくない。


きっと混乱しているせいだ。


あたしは悪い考えを追い払うように、頭を軽く振る。


カラオケから“きよしこの夜”が流れ、照明が絞られる。


その厳かな雰囲気と、ロウソクの火が幻想的で、涙が出そうになった。