きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




あまりの混乱で息苦しくなる。


すがるように、千葉の腕を掴んだ。


「ねぇ、どういうこと?わけわかんないよ」


千葉は困ったような顔をして、


「落ち着け。悪かったよ、おまえを混乱させたくて言ったんじゃない。ごめん」


あたしの腕をポンポンと叩き、落ち着かせようとしてくれる。


「俺から小野に聞いてみる。それでいいか?」


怖い。


でも、本当のことを、知らなければならない。


あたしは小さく頷いた。


部屋のドアが開いて、雄平が戻ってくるのが見えた。


あたし達は、噂に振り回されて、すれ違っているのだろうか。


また前みたいに、素直に笑い合えるのだろうか。


でも、千葉が確かめる噂の真相は、あたしが望んでいるものではないかもしれない。


期待するのはやめよう。


現実を受け止められるように、心の準備をしておこう。


「じゃーん!女子みんなで作ってくれたケーキの登場です!」


森が、ケーキの乗った大きなお皿を持って、部屋に入ってくる。


予定にはなかった、たくさんのロウソクが立っていて、いくつもの小さな炎が揺れていた。


「すげぇ。伊田も手伝ったの?」


千葉が明るく言うので、あたしも笑顔を取り戻す。


「行こうぜ」


部屋の真ん中のテーブルにケーキが置かれ、まわりにみんなが集まり始めている。


先に向かった千葉に続いて、あたしも立ち上がった。