あまりの混乱で息苦しくなる。
すがるように、千葉の腕を掴んだ。
「ねぇ、どういうこと?わけわかんないよ」
千葉は困ったような顔をして、
「落ち着け。悪かったよ、おまえを混乱させたくて言ったんじゃない。ごめん」
あたしの腕をポンポンと叩き、落ち着かせようとしてくれる。
「俺から小野に聞いてみる。それでいいか?」
怖い。
でも、本当のことを、知らなければならない。
あたしは小さく頷いた。
部屋のドアが開いて、雄平が戻ってくるのが見えた。
あたし達は、噂に振り回されて、すれ違っているのだろうか。
また前みたいに、素直に笑い合えるのだろうか。
でも、千葉が確かめる噂の真相は、あたしが望んでいるものではないかもしれない。
期待するのはやめよう。
現実を受け止められるように、心の準備をしておこう。
「じゃーん!女子みんなで作ってくれたケーキの登場です!」
森が、ケーキの乗った大きなお皿を持って、部屋に入ってくる。
予定にはなかった、たくさんのロウソクが立っていて、いくつもの小さな炎が揺れていた。
「すげぇ。伊田も手伝ったの?」
千葉が明るく言うので、あたしも笑顔を取り戻す。
「行こうぜ」
部屋の真ん中のテーブルにケーキが置かれ、まわりにみんなが集まり始めている。
先に向かった千葉に続いて、あたしも立ち上がった。



