きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




洞察力の鋭い千葉の口から、それを聞きたくなかった。


あたしの心の中に生まれた疑念に、説得力を持たせないでほしかった。


「悪い、軽々しく言うことじゃないな」


千葉はくしゃくしゃと頭をかき、長く息を吐いた。


「でも…」


再び口を開いた千葉。


あたしは体を強張らせる。


これ以上、何を言うの?


「もしそうなら、小野と宮下が付き合ってるっていう噂の信憑性は、一気に下がる」


千葉は、最初から、雄平と香織が付き合っているという噂を疑っていた。


「その噂を、宮下が流した可能性が、高くなる」


それが、確信へと変わるというの?


「何のために…?」


声がかすれる。


混乱して、何が何だかわからない。


「宮下が小野のことを好きなら、願望を噂にしてしまったとも考えられるけど…。でも、それだけとは思えない」


香織はあたしに、雄平のことが好きだと打ち明けてくれていた。


付き合いたいという願望が、形を変えて噂となり、一人歩きしてしまったという可能性は、辛うじて理解できる気がした。


でも、千葉の言う、“それだけとは思えない”とは?


千葉はいったい何を考えている?