あたしは恐る恐る顔を上げて、雄平を見た。
その表情にはおもしろがるような様子は微塵もなく、それどころか、ひどく驚いているように見えた。
雄平は、少し目を見開いたまま、あたしと千葉を交互に見る。
そして口を開き、あたしは耳を疑う。
「おまえら、別れたの?」
別れた?
雄平、何を言っているの?
その問いに答えたのは、千葉だった。
「別れるも何も、最初からつきあってないよ」
その言葉に、雄平は小さく声をもらす。
「え…?」
雄平の反応が、おかしい。
あたしと千葉がつきあっていると、疑いなく信じていた様子だ。
「小野、俺達が付き合ってるって、どうして思った?」
千葉は体を少し前に倒して雄平に近付き、声をひそめるようにして問いかける。
「だって、そう言ってた…」
雄平は言いかけて、やめた。
「誰が言ってた?」
詰め寄る千葉。
「いや、噂で…」
歯切れの悪い雄平。
「…ふぅん」
千葉は何やら納得した様子で体を起こし、背もたれに身をあずける。



