きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




あたしと千葉の向かい側、テーブルをはさんだ椅子に、雄平が座った。


「楽しそうに、何の話?」


雄平が、オードブルのウインナーをつまみながら言う。


「小野、知ってた?伊田ってとんでもない小悪魔なんだよ」


くくっと笑う千葉。


「ちょっ…!だから、それは…」


あわてて遮ろうとするあたしを無視して、


「へぇ、どんな?」


雄平が食いつく。


まさか、千葉がこんなことを言うと思わなかった。


「こいつ、俺のことフッたくせに、誘惑してくるんだよ」


「千葉!!」


あたしは千葉を思い切りにらむ。


けれど、どこか楽しげな視線を返してくるだけ。


いったい、どういうつもりなのだろう。


雄平には知られたくなかった。


あたしと千葉の間に何があったというわけではないけれど、千葉とのことを、他の男の子とのことを、雄平にだけは知られたくなかった。


雄平は、どんな反応をする?


怖くて、雄平の顔を見ることができない。


平気な顔を見せられても辛いし、おもしろがられるのも辛い。


「フッた…?」


やがて聞こえてきた雄平の声は、少し強張っていた。