小宮と恵が中心になって計画してくれたパーティーは、とても楽しいものだった。
カラオケボックスならではの歌合戦はもちろん、ゲームや、景品をかけたビンゴなど、大いに盛り上がっている。
ジュースで酔ってしまったかのように、いつにも増してハイテンションのみんな。
男子も女子も関係なく、馬鹿みたいに大騒ぎしている。
これがきっと、最後だから。
年が明けたら、受験一色の生活が待っている。
今日のように、みんなが集まることは、もうないだろう。
みんな、この瞬間を心に焼き付けようとしている。
あたしはなるべくたくさんの人と話そうと、部屋の中を行ったり来たりしていた。
ふいに千葉と目が合ったので、隣に座る。
「忙しそうじゃん」
千葉はそう言って、あたしの紙コップに自分のコップをぶつける。
「千葉は相変わらず、マイペースだね」
「しみじみしてたんだよ。みんなとこうして騒ぐのは、これが最後なのかなと思って」
驚いた。
同じようなことを考えていたから。
「千葉って、実は情に熱いんだね」
「“実は”って何だよ」
千葉は苦笑いしながら、テーブルの上のフライドポテトを取って口に入れた。
「伊田にとっての俺って、どんな男なのかねぇ」
遠くを見ながら、独り言みたいにそう言う。



