きらめきシーズン~卒業までの12ヶ月~




小宮と恵が中心になって計画してくれたパーティーは、とても楽しいものだった。


カラオケボックスならではの歌合戦はもちろん、ゲームや、景品をかけたビンゴなど、大いに盛り上がっている。


ジュースで酔ってしまったかのように、いつにも増してハイテンションのみんな。


男子も女子も関係なく、馬鹿みたいに大騒ぎしている。


これがきっと、最後だから。


年が明けたら、受験一色の生活が待っている。


今日のように、みんなが集まることは、もうないだろう。


みんな、この瞬間を心に焼き付けようとしている。


あたしはなるべくたくさんの人と話そうと、部屋の中を行ったり来たりしていた。


ふいに千葉と目が合ったので、隣に座る。


「忙しそうじゃん」


千葉はそう言って、あたしの紙コップに自分のコップをぶつける。


「千葉は相変わらず、マイペースだね」


「しみじみしてたんだよ。みんなとこうして騒ぐのは、これが最後なのかなと思って」


驚いた。


同じようなことを考えていたから。


「千葉って、実は情に熱いんだね」


「“実は”って何だよ」


千葉は苦笑いしながら、テーブルの上のフライドポテトを取って口に入れた。


「伊田にとっての俺って、どんな男なのかねぇ」


遠くを見ながら、独り言みたいにそう言う。