商店街の奥に昔からあるカラオケボックスが、クリスマスパーティーの会場となった。
中学生にも毎年部屋を貸してくれて、綺麗に使うことを条件に、色々と融通もきかせてくれる。
大きなパーティールームに、お弁当屋さんで予約したオードブルや、スーパーで買ったお菓子やジュースを持ち込む。
クリスマスケーキは、家庭科室を借りて、女子みんなで作った。
クリスマス本番より前の土曜日、会場にはクラス全員が集まって、恵は目をうるませていた。
「三年二組、最高だね」
あたしもそう思う。
最初は、知らない人ばかりで戸惑ったクラス。
なかなか打ち解けられず、あきらめかけていた。
でも、こうして、クラス全員がかけがえのない存在へと変わった。
それは、香織のおかげであり、雄平のおかげであり…。
やっぱり、あたしにとって二人は、中学三年生の思い出から絶対にはずせない存在だ。
きちんと話さなければいけない。
このまま、なんとなく壁を作ったまま卒業するなんて、悲し過ぎる。



