クラスみんなと学校以外で遊ぶことは、あの夏の花火大会を思い出させる。
クリスマスパーティーに参加することを、少しためらった。
でも、大好きなみんなとの、最後になるかもしれない思い出作りだ。
「杏奈も来てくれるよね?」
恵がこっそりと問いかけてくる。
「最近、元気ないみたいだから。みんなで騒いだら、きっと楽しいよ」
にっこり笑う恵の言葉に、少し泣きそうになる。
恵は、あたしのことを気にかけていてくれたんだ。
あたしが元気がないことに、気付いてくれた。
あたしの中から迷いが消えて、
「恵…ありがと!絶対行くよ」
力強く頷いた。
あたしにとってこのクラスは、雄平と香織だけじゃなく、恵や美保、そして他のみんながいて存在しているものだということを、改めて認識する。
一部分がうまくいかないからといって、他のみんなを手放してしまうわけにはいかない。
クラスのみんなとの、かけがえのない時間を過ごしたい。
クラスのみんなと、忘れられない思い出を作りたい。
恵と小宮の計画が、一足早いクリスマスプレゼントのように思えた。