昼休みはいつも、香織と美保、恵と四人で過ごす。


話題は主に、恵と小宮の恋の行方や、テレビや雑誌などの他愛のないことで、不思議と雄平の話にはならなかった。


机を向かい合わせてお弁当を食べていると、小宮が遠慮がちに近付いてきた。


「恵!彼氏来たよ、彼氏!」


「もー。やだぁ」


からかう美保に、恵は嫌な顔をして見せるけれど、ほころんだ頬は隠せない。


幸せそうな顔を見ていると、あたしも自然とニヤけてしまう。


小宮は何やら恵に話しかける。


「男子は結構集まりそう。決めちゃっていいんじゃない?」


「うん、じゃあ話進めようか」


三人が首をかしげていると、小宮があたし達に向き直って言う。


「クラスみんなで、クリスマスパーティーしよう」


美保は目を輝かせて、一番に手を上げた。


「やる!」


香織も楽しそうに頷く。


恵はほっとしたような顔をして言う。


「受験も近いし、みんな来てくれるか心配だったんだぁ」


小宮もうれしそうに笑い、


「なるべく手間かけないようにやるつもりだから、気楽に参加してよ」


そう言って、男子のグループに戻っていった。