体育大会まで一週間に迫った放課後、いつもは運動部が占領するグラウンドが解放され、全クラスが一斉に練習や準備に取り掛かる。
応援団はグラウンドの一角に集まり、決めていた応援歌や振り付けを練習していた。
男子は太鼓や旗を持ち出し、女子はあらかじめ作っておいた応援用の真っ赤なポンポンを手にしている。
練習の時に衣装を着なくてよかったと胸をなで下ろしているのは、あたしだけだろうか。
それにしても、雄平の団長姿は、決まりすぎていて怖いくらいだ。
体は大きいから存在感は抜群だし、声もよく通る。
持久走の練習で近くを走る女子たちが、思わず足を止めて熱い視線を送っている。
「応援合戦、早くも一歩リードって感じだね」
うれしそうに笑う香織も、本人は知ってか知らずか、さっきから男子の視線を集めている。
ダンス経験があるという香織は、身のこなしが他の子と違う。
余裕があるからか、笑顔も自然で、小さい体をいっぱいに使ってポンポンを振りながら踊る姿は、華があって人目を引く。
香織のチア姿がかわいいことは、誰もが確信している。



