後夜祭をしめくくるのは、フォークダンス。
キャンプファイヤーを囲んで、男子の輪と女子の輪が二重に作られる。
きょろきょろと辺りを見渡すと、恵と小宮の姿はなく、うまく抜け出すことができたようでほっとした。
その時、視界に入った。
雄平は、あたしの後方にいる。
最初の曲は、相手を変える時に、男子が前進する。
つまり、踊って相手を変えてを繰り返した後、あたしのもとへやってくるということ。
雄平と一緒に踊るということ。
うれしいような、辛いような、複雑な気持ち。
陽気な音楽が流れ始めた。
陽気なのに、色々と複雑な思いを生む、罪な曲。
好きな相手が他の人と手を繋いでいるのを見て心を痛めたり、意中の人と踊る順番が回ってこなかったり。
次々と隣にやってくる男の子と手を取り合いながら、あたしの鼓動は速さを増していく。
もうすぐ雄平が来る。
「どうも!」
「あ、小野君だ!よろしくー!」
あたしの後ろで、美保と雄平があいさつを交わし、楽しそうに踊っている気配がする。
ドキドキして、苦しい。
今一緒に踊っている男の子には悪いけれど、あたしの神経は全部、斜め後ろに向かっていた。



